淋病は性器だけではなくてのどに感染することもある

淋病などの性感染症は、性行為の経験がある人なら誰でも感染する可能性が考えられる病気です。
ただ、近年は性行為のスタイルも様々になってきていて、しかもオーラルセックスが一般的になってきていることから、のどへの淋病感染が増加しています。
性器に感染すると男性なら黄色い膿が出るや、ペニスの痛みといった症状が見られますし、女性は無症状が多いですが、おりものや腹痛といった症状が出るのです。
その為、淋病に感染したと分かりやすいのですが、のどへの感染は男性・女性共に症状が出ないのが特徴で、それにより気付かないうちにパートナーへ淋病を感染させてしまうことがあります。

特定のパートナーが性行為の相手という人は、相手にも感染する確率が高くて1回で約30%の可能性で感染してしまうのです。
また異性を仲介して性器に転移することも多数あって、その時に性器部の異変に気付いてのどの淋病だったと気づくこともあります。
ちなみに咽頭クラミジアと咽頭淋病を同時感染している確率は約30%と言われているので、淋病だけでなくクラミジアにも注意する必要があるのです。

のどに感染する淋病は病気として何が怖いのかというと、淋病のような性病に感染すると皮膚が炎症していたり白血球数が高かったりして、健常者と比べてHIVウィルスに感染しやすくなります。
HIVの感染率は約0.05%と非常に低いので、保持者と定期的に性行為をしても2000回に1回の確率でしか感染しないのですが、淋病に感染しているとHIVウィルスへの感染率が約5倍になってしまうのです。

また女性がのどの淋病に感染すると子宮が炎症して性行為をしても妊娠しにくくなりますし、男性も精巣に影響して無精子症になり男性不妊の原因となって子供を作れないこともあります。
ちなみに不妊治療で産婦人科を受診すると最初に実施されるのが性病検査で、これは何らかしらの原因菌に感染していると赤ちゃんができにくいからです。

淋病は一昔前ならペニシリンを投薬すれば一発で完治していたのですが、耐性をもった新型が増えてきていて消滅させにくくなっています。
特に、のどに感染した淋病で一番困ることは、薬を服用したくらいでは治療ができないことで、近い将来はのどの淋病は不治の病になるのではと危惧されているのです。
しかし現段階では、スペクチノマイシン系・セフェム系の薬剤を病院で点滴すると、のどの淋病を消滅させられるというデータもあります。
この点滴や注射による効果は約95%の人に有効ですが、重症だったり繰り返したりして耐性ができていると長期に渡る闘病になる可能性があるのです。