女性は淋病に感染しても症状が出ないことが多い

淋病によって引き起こされる女性の症状ですが、淋病に感染した女性のうち約80%の人は無症状と言われているのです。
男性の場合は約5%が無症状と言われているので、男性と比較して女性は淋病の症状があらわれにくいということが分かります。
その為、下腹部の違和感があって受診したり、パートナーの男性が淋病と診断され検査を受けたりすることで、初めて発覚するケースが多いのです。

特に女性の淋病は、原因菌となる淋菌が腟から子宮頸部などへ侵入した状態をそのまま放置してしまうと、重大な症状を引き起こしてしまうことがあります。
また感染に気付かないで放置していると、気付かないうちにパートナーに移してしまうこともあるので、病気を見逃してしまわないように注意が必要といえるのです。

淋病に感染した女性で症状が出る場合は、排尿痛・不正出血・下腹部痛・膿性の帯下・帯下の増量などが見られますし、尿道に淋菌が感染すると尿道から膿が出ることがあります。
排尿痛は男性と同様に排尿の初期に発生する痛みが特徴的で、バルトリン腺に感染するとバルトリン腺部が腫れ強い痛みが出現するバルトリン腺炎を引き起こすことがあるのです。
また無症状のまま経過してしまうと、卵管炎や卵巣炎といった子宮付属器炎、それから骨盤腹膜炎と感染が広がってしまいますし、膀胱炎・卵管狭窄・子宮外妊娠など他の病気を引き起こすこともあります。

それから女性は感染しても症状が見られないことが多いために、そのまま放置して不妊症などの重篤な結果を招くこともあるのです。
通常、妊娠は卵胞から排出された卵子と卵管膨大部に辿り着いた精子が出合って受精卵になり子宮で着床することにより成立します。
しかし淋病に感染すると卵管が炎症を起こして卵管狭窄を引き起こして、卵子と精子がうまく出会うことができないのです。
また受精できたとしても受精卵がうまく移動できなことで、子宮外妊娠や不妊症を起こしてしまいます。
それから淋病は卵巣炎を引き起こして排卵障害を招くこともあるのです。

このように淋病の症状が出ないことによる危険は数多くありますが、妊娠中に感染すると早期破水・早産・低体重出産・流産などを引き起こす危険性もあります。
さらに母子感染を引き起こす可能性もあって、新生児に対して深刻な悪影響を及ぼすことがあるのです。
産道感染で淋菌に感染すると新生児結膜炎・敗血症・心内膜炎などにかかることがありますし、血液中に侵入すると敗血症を引き起こします。
また、心内膜炎・髄膜炎・関節炎・尿道炎などの症状がみられることもありますし、新生児結膜炎により最悪の場合失明する可能性もあるのです。