淋病の治療方法と再発を防止するために必要なこと

淋病に感染していると判明した場合の治療方法は、日本性感染症学会の治療ガイドラインに沿った抗菌剤を用いて淋菌を除菌するのです。
ただ約7日程度の潜伏期間があるので、抗菌剤の服薬が終了した後に7日間以上の休薬期間を設けて、本当に治っているかどうかの確認のために、再び淋病の治療判定検査を行います。
近年の傾向として抗生物質の効果が得られない耐性菌の淋菌が増えているため、治療方法として用いられる有効な治療薬が限られてきているのです。

ちなみに日本性感染症学会が推奨している淋病の治療薬としては、セフトリアキソンの静脈注射単回投与が第一選択剤となっています。
その他治療効果が期待できる薬剤としては、スペクチノマイシン・セフォジジムなどの注射剤、アジスロマイシン・ミノサイクリンなどの内服薬です。
確実な効果が期待できる治療方法は注射剤で、この薬剤に対してアレルギーがある場合は、その他薬剤の使用を検討することになります。

淋病は原因菌となる淋菌に感染することから発症する性感染症なので、その原因となる淋菌を駆除することができれば淋病は完治することができるのです。
ただ抗菌剤の使用を患者の独断により中止してしまうと治療がより困難になるので、抗菌剤の用法・用量・治療期間を厳守して治療することが重要になります。

このように医師の正確な診断と抗菌剤を適切に使用して体内の淋菌を駆除できると、淋病は再発する可能性はありません。
しかし、自己判断などにより治療が不十分の場合には、体内に淋菌が残留してしまうことがあって、それにより症状が再発してしまうこともあるのです。
また淋病の治療方法として用いられる抗菌剤を途中で中断すると、抗菌剤に対し耐性を持つようになってしまいます。
近年、そうした耐性を持つ淋菌が増加傾向にあって、本来なら体内から除去されるはずの淋菌が、駆除されないこともあるのです。
ですから、このような耐性を持つ淋菌を発生させないためにも、医師の指示にしたがって処方された薬を所定の期間服用することが大事になるといえます。

それから淋病に感染した一人だけが完治しても、その人のパートナーが感染した状態では、再び性行為などを通じて感染してしまうのです。
このようにパートナーと感染を繰り返すことをピンポン感染と言って、このピンポン感染をなくすためにも淋病と診断された人だけではなくて、そのパートナーの方も同様の治療方法を受けることが必須といえます。
淋病などの性病は自分ひとりだけの病気ではなくて、性の環境汚染というように理解してパートナーと同時治療を受けることを原則と認識しておくことです。